保険営業マンが勧める保険は?(2)
保険を掛けすぎている人が多いのは、保険営業マンが大きな保障、もしくは保険料を
かけるよう案内しているのが理由としてあるのだが、なぜ大きくかけるのか?
最大の理由は、保険には貯蓄性のものがあり、保障と貯蓄の両方を兼ね備えている
からで、例えば数十年かけ続けた後でその保険を解約した際に、それまで支払って
きた保険料の合計よりも増えた金額でお金(解約返戻金)が戻ってくるからである。
(その保険の特徴や経過年数によって異なり、特に早期解約の場合は元本割れの
可能性は十分あり得る)
ただ掛け捨ての保険よりも保険料が割高なので、そこが掛け過ぎの最大の理由に
なっている。
保険営業マンもこの特性を活かし、老後資金を貯めるのに最適な保険として
お客様の共感を得ることが簡単だった。
この「貯蓄を兼ね備えた」という部分が非常にはまったのである。
しかし時代は変わり、現在ではこの貯蓄性が活かされる保険が少なくなった。
(既に加入した保険に関しては当初の貯蓄性が基本的に継続されるので問題ない)
これは貯蓄を兼ねて加入した方はメリットがあるからまだ良いのだが、もう一つの
理由が問題で、それは保険営業マンのまさに営業トーク(誘導)によるものである。
保険営業マンの収入は歩合が大きい部分は以前に説明したが、その歩合の根本は
保障の大きさ(むしろ保険料の大きさ)になるので、例えば月々1万円の保険料
よりも月々3万円の保険料の契約をいただいた方が収入への影響は大きい訳である。
例えば「これぐらい貯めておかないと老後大変ですよ」とか「この保障は絶対必要
ですよ」とかでお客様に案内する訳である。
これが過度な加入に繋がる原因で、今までは貯蓄性が高かったので良かった部分も
あるが、今後は保険による貯蓄はメリットが薄くなってしまったので、保険は保険、
貯蓄は貯蓄としてシンプルに考える方がベターな時代になった。